ピックアップの負荷容量(Load Capacitance)の違い

今日もエレキギターのピックアップとギターケーブルの静電容量の話です。

シールドケーブルの静電容量によってトーンが変わりますよ。という話ですが,実際のところは「なんぼのもんじゃい」というのが本音です。

そこで実際に演奏して録音してみました。
ピックアップの負荷容量(Load Capacitance)として取り付けるコンデンサーの容量を切り替えながら録音しました。

アンプの入力部に切り替えスイッチを設けてコンデンサーを切り替えています。
負荷容量無し,1000pF,2200pF,4700pFと切り替えて演奏してみました。

なお,シールドはMogami 3368とHKM(日の出光機)のプラグで自作した3メートルのケーブルを使っています。
シールドケーブルの静電容量が220pFはくらいあります。


ストラトのほうが分かりやすいのでまずストラトのブリッジ側ピックアップで試しました。
0:00~ : 追加負荷容量なし(+シールドケーブル静電容量220pF)
0:15~ : 負荷容量1000pF(+シールドケーブル静電容量220pF)
0:30~ : 負荷容量2200pF(+シールドケーブル静電容量220pF)
0:45~ : 負荷容量4700pF(+シールドケーブル静電容量220pF)
ストラトのブリッジ・ピックアップはハイ上がりで使いにくいのですが,1000pFでギスギスしたところが取れて,2200pFくらいをぶら下げると明らかにぶっとくなってきます。4700pFはやりすぎ感があり,こもった感じになってきます。

170501_ST_BRD_Load_Capacitance.mp3

ネック側のピックアップではこんな感じです。

170501_ST_NEK_Load_Capacitance.mp3

ジミヘンやレイボーンのライブの音は2200pF~4700pFの間にありそうです。


ハムバッキング系ではどうでしょうか。
PRS Mccartyのブリッジ側です。
0:00~ : 追加負荷容量なし(+シールドケーブル静電容量220pF)
0:15~ : 負荷容量1000pF(+シールドケーブル静電容量220pF)
0:30~ : 負荷容量2200pF(+シールドケーブル静電容量220pF)
0:45~ : 負荷容量4700pF(+シールドケーブル静電容量220pF)
負荷容量なしだと少々痛い感じがしますが,1000pFですでにぶっとくなってきます。
普通に使えるのは2200pFまでで4700pFはもはやミッドブーストです。でもこういう音どこかで聞いたことありますね。

170501_MC_BRD_Load_Capacitance.mp3

センターのハーフトーンはこんな感じです。
1000pF~2200pFのトーンがオールマンのフィルモアライブに近い気がします。

170501_MC_HLF_Load_Capacitance.mp3



著名なギタリストの使った,ギターはもちろん,アンプ,エフェクターは語りつくされていて,各種伝説,リスペクト系商品がちまたにあふれていますが,そのギタリストがどのようなシールドケーブルを使っていたかはあまり語られていません。

ジミヘンはカールコードを使っていて,で3000pFくらいだよ~という情報はあります。レイボーンもわざわざ容量の大きいケーブルを使っていたようです。
そしてトーンから推測するにやはり少なくとも1000pF以上,2200pF~3300pFくらいの容量のケーブルを使っていたようです。
ジミヘンやレイボーンでもスタジオ盤の音はブライトです。ライブの音はもっとぶっとくてミッドブーストしたような音になっています。
私は「Are You Experienced」より「Radio One」を,「Texas Flood」より「Live Alive」を先に聞いた都合か,彼らの音は後者,ライブ音源の音が耳に残っています。

ストラトのようにシングルコイル・ピックアップは特に負荷容量の影響が大きいと感じました。
PAFのようなハムバッキング・ピックアップはもともとインダクタンスが大きく,ピックアップ自体の静電容量も大きいのだと思います。
さらに,ギブソンはギター内の配線も容量の大きなシールドケーブルを使っていますので,ギターだけでもそこそこの負荷容量がついていて,ケーブルの影響はその分だけ少ないとも言えます。
ハムバッカーのケーブルの違いはアンプ設定やスピーカの種類,マイキングで補正可能なレベルと思います。

なのでオールマンのフィルモアライブの音に関してははっきりしたことは言えません。
マーシャル直結で,スピーカーはJBLだという説がありますが,JBLでああいうトーンになるとすると,それなりの静電容量を持ったケーブルが必要でしょう。でもデュアンが使ったケーブルについて語ってくれる人はいないのです。


今日は実験結果をまとめたところで終わりです。
3メートルでも12メートルの音がするシールドは作ってみましたが・・・
3メートルでもカールコードの音(つまりジミヘンの音)がするシールド需要があるかな?
需要があれば作るんですが・・・






Radio Oneの方がアルバムとしてはまとまりがよいけど,BBCセッション方が色々入っていて網羅的。





ギブソン・スタイルのシールド線

shield_wire_2-braid.jpg

PRSのMcCartyの配線をリペアした際にギブソン・スタイルのシールド線を購入しました。

わざわざビンテージ・スタイルという2本編みシールド線を購入しましたが,このシールド線の静電容量(Capacitance)を測ってみました。

測定はLCRメーターを使い,1kHz,250mVという設定で測定したところ,510pF/mという値がでました。

普通のギター用のシールド・ケーブルは70pF/m~160pF/mですからずいぶんと大きいです。
綿巻きかつワックスがかかっているからだと思います。

そしてギターに元々付いていたオリジナルのシールド線は長さ17cmで152pFという静電容量でした。
1mに換算すると894pF相当します。これはまたさらに倍近く大きいですね。
ハンダのヤニを吸っているせいもあると思います。

リペアした時にトーンの変化に驚いたのですが,配線材の交換により静電容量がだいぶ変わっていたようです。



さて,PRS McCartyはGibson Les Paulを意識して作られていますが,大きな違いのひとつにトグルスイッチの配線があります。
レスポールはスイッチがネック側にありますので,ボディ内を長々と配線を引き回しています。
一方マッカーティーはブリッジ側にスイッチがありますので配線が短いのです。

そしてPRSはそのことを承知しています。
こちらの配線図を見ると20インチのシールド線を使うように指定しています。
https://www.prsguitars.com/csc/schematics/2012/mc58_2012.pdf

20インチは50センチですから,250pF~400pFくらいの静電容量がぶら下がることになりますので当然トーンに差が出ます。

オリジナルのPAFを使おうがレプリカだろうがシールド線の静電容量を無視したら同じトーンは出ません。

静電容量が小さいとすっきりしてハイが伸びピッキングニュアンスはでますが,元気がなくギスギスした感じになります。
一方で静電容量を大きくしていくと粘っこいところが出てきて明るく元気な音になります。

どちらがビンテージかといえばもちろん静電容量が大きい方がビンテージなトーンといえます。

どのくらいの静電容量が適切なのかググっても答えは出ません。好み次第といえます。

実験をしてみると,500pF~2000pFくらいの範囲なら普通に使えます。
3000pF~4000pFになるとミッドブーストになり,0.01uF~0.015uFではいわゆるウーマントーン,それ以上はモコモコした音になります。

500pF~2000pFの間のいくつがよいのか,もう少し詳しく実験しようと思っています。

ギター内部の配線(ギブソン・スタイルのシールド線)

前回トーンコンデンサーを変えましたが,配線材も新たに購入して配線を再度やり直しました。



結果,現在はこんな感じになりました。

変更点は,手作りシールド線と出力ジャックまでの配線をGibsonスタイルのシールド線のビンテージ仕様に交換。
ハイパスコンデンサ(180pF)を取り付けです。

まず,配線材の交換についてです。
PRS McCartyは50年代のビンテージ・レスポールを目指して作られているわけですが,細かい部分にこだわりが隠れていました。

レスポールと同様にピックアップの配線にはシールド線を使っています。
いわゆる「ギブソン・スタイル・シールド線」ですが,これがなんとビンテージ仕様だったんです。

shield_wire_prs_mccarty.jpg

これがMcCartyの配線に使われているシールド線です。
シールド用の網線ですが,2本ずつのまとまりで編まれています。これがビンテージ仕様だそうです。

確かに,手元にある手作りシールド線で使っている網線は4本ずつですし,Webの写真を見ると最近流通しているギブソンスタイルのシールド線は3本ずつ編まれています。

なんとこの2本ずつ編まれたビンテージ仕様の配線材が手に入ります。

shield_wire_2-braid.jpg

これが購入したものです。

このシールド線を使ってセレクターからボリュームまでの配線と,出力ジャックまでの配線をやり直しました。

出力ジャックの配線は不合格です。シールド側はハンダ付け不十分。芯線側は切れかけていました。
やり直してよかった・・・

作業のこつですが,シールドを半田付けする部分はまず,スズメッキ線で縛ってからゆっくり確実に半田付けします。



冒頭の写真をもう一度・・・

ついでにボリュームにハイパス・コンデンサ(180pF)を取り付けました。
180pFという値は最新のMcCartyモデルと同じ数値です。
今回は部品箱に眠っていったディップ・マイカを使いました。

NTKという日通工というメーカーで今ではもうディップマイカは作っていません。
リード線が銅線です。あと,つやつやしたアメのような樹脂でディップされているのがたまりません。

古今東西様々なディップマイカをなめてきましたが,一番おいしいです(嘘)。

あと,最初からついていたオレンジ色のトーン・コンデンサはなくさないように差しさわりのない部分に半田付けしときました。。。

そういえばもう一点,スイッチクラフトのトグルスイッチも交換しました。
軸がずれて斜めになってしまっていること,たまに接触不良になること。
ふたつも気に食わない点があったからです。

全く同じ部品が手に入るからには交換するに越したことはありません。

つうことで,音を出してみると今までは見違えるような・・・
クリーン・トーンでここまできれいな音がでるギターは初めてです。。335もストラトいらないじゃん・・・
ジャックの配線が切れかかっていた影響が大きいのでしょう。撚線は1本切れても音は出ますが,すべての線がつながっていないとだめです。

180pFのハイパスも効きすぎずよい具合です。
とにかく満足。録音しましたので,後日UPの予定です。

関連リンク:ビンテージな仕様のシールド線
http://www.crazyparts.de/electronics/caps-jacks-cables-switchtes/vintage-2-strand-braided-shield-wire.php
http://www.montreuxguitars.com/datalist/selectGoods.php?code=1011
実際にはサウンドハウスで買いました。


トーンコンデンサーをチューン・アップ(BumbleBeeの秘密)



トーンコンデンサを変えてみました。気になるんです。なぜか。

例えばレスポールだと50年代のビンテージで使われていた,バンブルビー(BumbleBee)やブラックビューティー(BlackBeauty)が有名です。
どちらもスプラグ社(Sprague)の製品です。(OrangeDropやVitaminQもスプラグ社製です)
本物もまだ手に入りますが,エフェクターが買える位の値段がします。
しかも古いのでまともに使えるかどうかわかりません。
人気があるだけにレプリカも多く作られています。

最近のトピックスとしてはフェンダーもギブソンも自らのブランドでコンデンサーを販売していることです。
純正品でチューン・アップできると考えれば満足度は非常に高いわけです。

ところで,「改造」というと素人っぽく,完成度を下げるように感じますが,「チューン・アップ」というとなぜか価値が上がるような気がします。ということで今回は「チューン・アップ」を行うことにします(笑)ww

prs_tone_cap.jpg
PRS標準のコンデンサーはオレンジ色のセラミックコンデンサです。耐圧は25V。
ストラトならこれでOKといいたいところですが,これではさみしいのでアップグレードします。

実は今回重い腰上げたのには他にも理由があります。

レスポール用のコンデンサでググるとバンブルビーの分解写真が見つかります。
驚いたことに「Extended-Foil」という構造をしています。これは,いわゆる無誘導構造に相当するのです。
なんと1950年代にも関わらず現在の最新のコンデンサと何ら変わらない構造なのです。

いままでビンテージ・コンデンサは誘導成分が発生する巻き回し形なんだろうと勝手に思い込んでいました。
ビンテージなんだから性能がしょぼいんだろうと・・・

もう一点,P.I.O.(Paper in Oil)と呼ばれるオイルコンデンサーにオイルはほとんど入っていないことも知りませんでした。
オイルペーパーは「油紙」です。身近な例では「あぶら取り紙」に油がしみ込んで半透明になった状態です。
オイルにジャブ付けされている姿をイメージしていたのですが,分解写真を見るとオイルが満たされているわけではないのです。

もうひとつ大事な点がありました。フィルムコンデンサーは経年劣化で容量が増えることがあります。
そして,BumbleBeeやBlackBeautyも増加の傾向だということです。

いままでは容量が抜けることによって,例えば0.022uFが0.01uFになることによっておいしいトーンが出るのだろうと考えていました。しかし,むしろビンテージなフィルムコンデンサーは逆傾向で容量が増えることでトーンの効きがよくなる方向の変化だということです。

ということはあえて小さい容量を選ぶ必要もなく,劣化したコンデンサを使う必要もなく,普通にハイスペックなコンデンサを求めればいいという方向性で出てきて,がぜんやる気が出ました。



ちなみにの豆知識ですが,ビンテージコンデンサはGrey Tigerのような紙巻きでワックスモールド,BumbleBeeのような樹脂モールド,VitaminQのようなハーメチック・シールドというように外装で差別化されています。
もっとも劣化しやすいのがワックスモールド,続いて樹脂モールド,最も高性能な軍事用がハーメチック・シールドです。
ただし外観がどうあれ,音はどうかというとまた別のハナシですが。。

ただし,樹脂モールドであっても,古いものはリーク電流がひどく真空管アンプに使うとノイズでたり,動作点がずれたりします。

なお,最近のコンデンサを外観で分類するとWIMAのようなBOXタイプ,マスタードやトロピカル・フィッシュのような樹脂ディップ,SOZOのようなテープラップと区別できます。

入手についてですが,ハズレつかまされるリスクから,BumbleBeeの入手はあきらめています。しかも,BumbleBeeにも2種類あるのだとか。初期モノはVitaminQと同じオイルペーパーですが,途中でBlackBeautyと同じ「DIFILM」(ペーパーマイラー)になるそうです。
ペーパーマイラーは分解写真を見る限りはメタライズドペーパー(MP)コンのようです。
「DIFILM」はオレンジドロップへ継承されますが,それも今ではもう「DIFILM」ではないようです。





前置きが長くなりましたので最初の写真をもう一度・・・

そんなこんなでWebを物色するうちに,ロシアン・オイルコンデンサーの株が急上昇していることに気づきました。
どうやらBumbleBeeの置き換えにGoodのようです。これなら10年前に買ったデッドストックが手元にあります。

さらに新たに購入しなくても,部品箱には手ごろなコンデンサーがゴロゴロしていることに気づきました。。。

それが最初の写真です。

10種類以上試したと思います。かいつまんで感想を残しておきます・・・

やはり,トーン変化の9割は静電容量の大小できまる。(特にトーンを絞り切った状態では)

0.01uFはミッドブースト風。
0.015uFはちょうど良い感じ,ウーマントーンといわれる理由もうなずける。
0.022uFは少しこもるけど,一般的なトーンコントロールの感触。
0.047uFはもこもこ。音量もかなり下がる。

古いオイルコン,フィルムコンは静電容量が1.5倍くらいになることもある。
0.015uFが0.02uFになっていたり,0.022uFが0.03uFになっていたりする。

逆に古いセラミックコンデンサ0.02uFは0.01uFへ静電容量が減少していました。

ということで,今回は静電容量とDF(誘電正接)が測れる測定器とにらめっこしながらコンデンサー交換を行いました。
コンデンサーの静電容量を測りながら交換・比較しないと路頭に迷います。

以上の前提のもと,比較を進めますと・・・

オリジナルのセラコンはゴワゴワした違和感を感じます。

比較していく中で本命にしようとひそかに決めていたロシアンオイルコンは脱落。
雑味が気になります。高性能なものほど雑味が少なくてつるつるした印象です。

無理やりですが,布団に例えてみました・・・
・誘電正接が大きいコンデンサはゴリゴリした違和感を感じる,使い古した綿布団のような感じ
・元々ついてたセラミックはボワっとした感じ,安い羽毛布団のような感じ
・DFが少ないやつはシルクカバー付きの軽い羽根布団のようなふんわりした感触

最終的には東ドイツ製の0.022uF 250V~のMKPに落ち着きました。
西ドイツ製の0.015uF(ポリカ)も捨てがたかったですが,標準値0.022uFにしました。

mccarty_wiring2.jpg

ついでにワイアリングも少しいじりました。

さて,これも最近仕入れた豆知識ですが,レスポールの配線方法は「Vintage」と「Modern」の2種類あり,微妙に違います。
こだわる人はVintage配線にするようです。知りませんでした。本国では常識のようです。

Vintage配線にするとボリュームを絞ったときのこもりが緩和されるらしいです。ただし,トーンとボリュームを同時に絞った時のトーンの効きが変わるでしょう。(試してません)

ちなみに今回はModern配線です。

なお配線図には現れないのですが,いつもの癖でトーンポットの空き端子をグランドに落としています。
まあ,気持ちの問題ですが,空き端子はノイズ飛び込みの原因になります。

それからついでにコイルタップの回路を最新のMcCartyの回路にしました。
1.1kΩと2.2kΩを追加しています。ブリッジ側をコイルタップしたときにハムバッカーぽさが少し残り,元気になります。
抵抗は手持ちのカーボンコンプを使いました。

まだ弾きこんでいませんが,いい具合です(気持ち的に?)

関連リンク:McCartyの配線図,レスポールのビンテージ配線
https://www.prsguitars.com/csc/schematics.html
http://www.seymourduncan.com/blog/tips-and-tricks/lespaulwirin



へそくりを断捨離してギターをゲット


突然ですが,10年以上寝かせていたへそくりをはたいてギターを購入!!
なんてことないPRSが我が家にやってきました。なんとなく2000年以前のモノを探していましたが偶然97年製に出会うことができました。

さて,思い出すとPRSが気になり始めたのが学生時代なので,90年代後半です。
当時は中古はあまり流通してませんから,新品に50万も出せるはずがなく・・・
中古があっても20万以上してましたから・・・貧乏学生には高嶺の花でした。

そして社会人になって以来10年以上貯めてきたへそくりを断捨離して買ってしまいました。

やはりビンテージ・ギターが欲しいわけでなんですが,コレクターでもなく,ヘビープレイヤーでもなく。ウチのギター達は所詮アンプ製作の実験台にすぎないわけです。

とすると音の良いビンテージが欲しいわけなんですが,そんなモノがホイホイ手に入るわけではありません。フルオリジナルは当然のように高価なわけで手が届きません。リフィニッシュはまだしまもコンバージョンやネックだけビンテージなんていうことも妄想はしますが,それだけの情熱があるわけでもなく。。選別眼も知識も足りません。

やはり実験台としてTLも欲しいのですが,定番としてLPもあった方がいい。でもレスポールは好きじゃないんです。特にあのシングルカッタウェイのぶら下げっぷりが苦手です。重いし。

trs_cover.jpg

そこで,ハムバッカー搭載のレスポール系で質が良くて弾きやすいダブルカッタウェイとなるとPRSが候補になるわけです。しかし24フレットではネック側ピックアップの位置が違うわけで,ギブソン系の音は期待できません。

そんなこんなで色々調べていたら「McCarty Model」の存在を知りました。恥ずかしながら今まで知りませんでした。ギブソン社の社長を務めたテッド・マッカティーの名前を冠したモデルなんだそうです。レスポールやフライングVなどのソリッドボディ・ギターの生みの親だそうです。

それまで独自に高品質なギターづくりを研究してきたポール氏がテッド氏の助言を受け,ビンテージ・ギターに負けないギターを志して「McCarty Model」を市場投入したのが1994年のことだそうです。

常に革新的な完成度の高いギターを追求してきたPRSが90年代後半に急成長する中でよりトラディショナルなモデルにも幅を広げ,さらに知名度を上げることになったきっかけになったことは間違いないと思います。


どうしてもPRSというと派手なインレイやケバケバしいフレイムメイプルに嫌気する人もいるでしょう。

しかし,レギュラーモデルは飾り気がなく素っ気ないです。それでも所有していじってみて感じたことはポール氏は真面目にモノづくりを追求し,よいギターを広く世間に浸透させることを真剣に考えている人なんだということです。

つまり,派手なモデルは「客寄せパンダ」でしかなく,レギュラーモデルでもつくりに手抜きはなく,細かな部分にこだわりが詰まっているように思いました。伝統的なモノづくりではよく細部に神が宿るといいますが,まさにPRSのギターにも当てはまります。
加工精度や塗装の仕上げっぷりはもちろんですが,バインディングなどの木材同士の接合部やネジ穴の開け方にも丁寧な仕事を感じます。

べつにPRSをよいしょする気はないんですけど,今となってはギブソン,フェンダーに続く第3勢力であることに疑いの余地はありません。

さて,写真でみるとフレイムっぽく写りますが実際はそうでもありません。
実に素っ気ないメイプルトップです。
McCartyはCustom22と比較されがちですが,ボディ厚が3mm程度厚い,ヘッドの角度や厚さが異なる,ネックの仕込み角が異なる,ピックアップが異なる,コントロールも違う。そういった細かい違いの積み上げで差異化を図っているようです。ぱっと見は区別がつきません。

McCarty_head.jpg

そしてヘッドも実に素っ気ない。McCartyはペグがPRSオリジナルのロックキングタイプではなく,ごく普通のクルーソンタイプです。
あと,この写真でもうひとつ語りたいのが,ペグの位置です。弦がナット位置で左右に広がりません。ナットと直交しています。
ナット部分で弦に余計なテンションがかからずスムーズです。これがPRSのギター設計のひとつのキモと考えています。

最後にトラスロッドカバー自体も非常に簡素な作りです。そこに刻まれた「McCarty」の文字,なんだか手垢が詰まっているようですが,よく見ると金色の塗料が少しだけ残っています。

オリジナルを維持することに興味はないので,白い塗料を流し込み表面をヘアライン風に仕上げてみました。
これでだいぶ質感がアップしました。ヘッドは頭ですから顔でもあるわけでルックスとしては重要です。

あ,あとナットが純正ではありませんね。
表面がテカテカしていけてないので一度取り外して紙やすりで艶消しにしておきました。
PRSはナットにも相当のこだわりがあるようで,できればオリジナルにしたいと思っています。

ナットも非常に重要な部品です。そういえば2本目のストラトも新品で買ったその晩にナット交換しました。
普通ならメンテしてもらうところですが,自分でやった方がきれいに仕上がるので・・・ナットファイラーも持ってます。


購入時の状況や,弾いてみてもインプレッションとか,サウンドサンプルは今後のお楽しみです。

続きを読む »



 | ホーム |