Fender American Standard Bridge Upgrade

10年単位のチューンアップ続き・・・


Model #: 0075091049を入手しました。
こんなパッケージです。


非常にシンプルで合理的な梱包ですね。


内容物はこんなこんな感じです。
ブリッジはもちろん,アンカー,スタッド,スプリング,ハンガー,トレモロアームのティップは2色入りです。


トレモロ・ブロックは面取りされています。
これはビンテージ・シリーズにはない,アメスタ・ブリッジの特徴です。


ベンド・サドルに2点支持ですね。


新旧比べてみましたが,なんと,ブリッジプレートの厚みが違います。
新しい方が薄く3.5mm,古い方は4.5mmです。


みた目的にはレトロな新タイプ,モダンな旧タイプです。


ピボット部にはあまり違いを感じません。そもそも,視点がアンカー部分なのであまり関係ないですね。


トレモロ・ブロック(イナーシャ・ブロック)の高さが違います。
1mmほど異なります。


これじゃ比較にならないですね。


スタッドの間隔はぴったりと一致します。


アームの見た目は変わりませんね。
しかし,古いアームを新しいブリッジにねじ込むと途中までしか入りません。
微妙に寸法が異なるようです。



さあ,ここから重さ測定です。
ドキドキしますね~(笑)
新モデルは320gです。


旧モデルは335gです。



ブロックの重さだけ比較してみましょう。
新モデルは230g,旧モデルは209gです。
フェンダーの言う通り,新モデルの方が重いです。



プレートの重さは厚みが効いていて,新モデルは64g,旧モデルは82gです。
旧モデルの方が1mm厚いです。



その他,サドルなどの重さは,新モデルは25g,旧モデルは44gです。
ブロックタイプの旧モデルはさすがに重いです。



新モデルのブロックです。ミーリングパターンは見られません。
銅を配合した鉄(Steel)ということから考えて鋳鉄です。
ビンテージモデルはCold Rooled Steel(冷間圧延鋼)だといわれていますので素材が異なります。


サドル・ネジが短いものが二つあります。
1弦と6弦に使います。


プレートとブリッジを固定するネジのピッチは21.3mmくらい。正確に測るのは難しいです。


トレモロブロックは重くしたけど,サドルとブリッジ・プレートは軽くした。
それがトーンにどう影響があるのか・・・
音の違いは後日・・・

ストラトのブリッジが悩ましい

ストラトにあこがれてFneder JapanのST54を購入したのが1997年。
やっぱりUSAのギターが欲しくてAmerican Classic Stratocasterを購入したのが1998年でした。

当時のFenderはVintageシリーズとAmerican Standardシリーズの2本立だった。
カスタムショップではマスターグレードを作っていた時期だったが何分貧乏学生には手が届かなかったのです。

American Classic StratocasterはCustom Shopの名を冠したAmerican Standardといった位置づけのストラトだ。
特徴を簡単に説明するとハードウエアはアメスタ,ネック・ボディはカスタムショップ製といったギターだ。
ハードウエアについて通常のアメスタとの相違点は,ピックアップがTexas Special,ピックガードがベッコウ柄,金属パーツがゴールドという点だ。
ボディのザグりはいわゆる”弁当箱”ではなく,Vintageシリーズと同じく3シングルの形状となっている。
ビンテージシリーズとは異なり,キャビティ内は導電塗料が塗られている。
ネックは9.5インチRの22フレット,フレットはミディアム・ジャンボとアメスタと同一仕様であり,プレイアビリティを優先した設定になっている。

しかしネックの素材には違いがある。メイプルはフィギャードやバーズアイなどグレードの高い素材を使っているのだ。
一方でマイクロティルトが組み込まれていることから,加工はレギュラーラインなのかもしれない。

2008年にアメスタシリーズが刷新されました。
そのころの世の中はビンテージギター・ブームが一段落し,ビンテージを消化して骨格としたビンテージ・ライクなギターを作る流れが出来上がり,そのクオリティが成熟期に入った時期です。
様々なパーツ,素材,製造方法が検証され,塗装が薄くなり,レリック加工が施されたギターが巷にあふれました。
ただしそれはビンテージギターを熱望するおっさんの財布を軽くしたに過ぎず一時期のブームは下火となりました。

そんな状況の中,本家フェンダーでは単なるビンテージギターの模倣やビンテージ回帰の流れではなく, 新たな世代,新たなマーケットを常に貪欲に取り込むためのスタンダードなギターが再定義しようとしたのだと思います。

それが刷新されたアメスタです。
時代が進んでも変化しない不変の価値を創造する,それがフェンダーのスタイルであると再認識させられました。

前置きが長くなりましたが,ゴールドのアメスタ・ブリッジを約20年ずっと使い続けてきました。
アメスタ・ブリッジは説明するまでもないが,頑丈なキャスト(鋳造)のブロック・サドルを採用しており,サスティーンがよいと言われています。
シンクロナイズド・トレモロ自体はレオ・フェンダーの発明ですが,80年代にはフロイドローズに代表されるように高機能化が進みました。
フロイドローズの弾き心地はディストーションやコーラス深くかけたアルペジオ,つまりあくまでもHM・HRのためであって,ジャキジャキと刻むような弾き方,トラディショナルなロックやアメリカでは根強いカントリーとは違った方向dした。

そのころのアメスタの立ち位置も非常に微妙で,SSHモデルやHSHモデルもありましたが,フェンダー自体が時代遅れの印象をぬぐえませんでした。
ある意味,時代の流れに半分だけ迎合したような中途半端なブリッジだったのです。

ジャランと鳴らしてもあくまでも弦一本一本のスペクトルが強く分離して,まじりあって広がっていくような感触がない。
それがアメスタブリッジの特徴だと思う。

我慢して使い続けてきましたが,2008年に本家がプレス・サドルに回帰したことでブロック・サドルに対する不信感をぬぐえなくなってしまいました。

カラハムに代表されるような金属パーツは非常に魅力的でありながら,アメスタ用のオフセットサドルに対応する製品はあまりないのが悩みどころ。
チタンブリッジならアメスタ用のオフセットしたサドルがある。

ブリッジアッセンブリー全体を交換するか,サドルだけ交換するか悩みました・・・
悩みに悩んで10年近くが経過した・・・

2008年のアメスタのうたい文句を見るとトレモロブロックの素材も違うようです。

ということでブリッジアッセンブリー全体を交換することにしました。

続く・・・

ピックアップの負荷容量(Load Capacitance)の違い

今日もエレキギターのピックアップとギターケーブルの静電容量の話です。

シールドケーブルの静電容量によってトーンが変わりますよ。という話ですが,実際のところは「なんぼのもんじゃい」というのが本音です。

そこで実際に演奏して録音してみました。
ピックアップの負荷容量(Load Capacitance)として取り付けるコンデンサーの容量を切り替えながら録音しました。

アンプの入力部に切り替えスイッチを設けてコンデンサーを切り替えています。
負荷容量無し,1000pF,2200pF,4700pFと切り替えて演奏してみました。

なお,シールドはMogami 3368とHKM(日の出光機)のプラグで自作した3メートルのケーブルを使っています。
シールドケーブルの静電容量が220pFはくらいあります。


ストラトのほうが分かりやすいのでまずストラトのブリッジ側ピックアップで試しました。
0:00~ : 追加負荷容量なし(+シールドケーブル静電容量220pF)
0:15~ : 負荷容量1000pF(+シールドケーブル静電容量220pF)
0:30~ : 負荷容量2200pF(+シールドケーブル静電容量220pF)
0:45~ : 負荷容量4700pF(+シールドケーブル静電容量220pF)
ストラトのブリッジ・ピックアップはハイ上がりで使いにくいのですが,1000pFでギスギスしたところが取れて,2200pFくらいをぶら下げると明らかにぶっとくなってきます。4700pFはやりすぎ感があり,こもった感じになってきます。

170501_ST_BRD_Load_Capacitance.mp3

ネック側のピックアップではこんな感じです。

170501_ST_NEK_Load_Capacitance.mp3

ジミヘンやレイボーンのライブの音は2200pF~4700pFの間にありそうです。


ハムバッキング系ではどうでしょうか。
PRS Mccartyのブリッジ側です。
0:00~ : 追加負荷容量なし(+シールドケーブル静電容量220pF)
0:15~ : 負荷容量1000pF(+シールドケーブル静電容量220pF)
0:30~ : 負荷容量2200pF(+シールドケーブル静電容量220pF)
0:45~ : 負荷容量4700pF(+シールドケーブル静電容量220pF)
負荷容量なしだと少々痛い感じがしますが,1000pFですでにぶっとくなってきます。
普通に使えるのは2200pFまでで4700pFはもはやミッドブーストです。でもこういう音どこかで聞いたことありますね。

170501_MC_BRD_Load_Capacitance.mp3

センターのハーフトーンはこんな感じです。
1000pF~2200pFのトーンがオールマンのフィルモアライブに近い気がします。

170501_MC_HLF_Load_Capacitance.mp3



著名なギタリストの使った,ギターはもちろん,アンプ,エフェクターは語りつくされていて,各種伝説,リスペクト系商品がちまたにあふれていますが,そのギタリストがどのようなシールドケーブルを使っていたかはあまり語られていません。

ジミヘンはカールコードを使っていて,で3000pFくらいだよ~という情報はあります。レイボーンもわざわざ容量の大きいケーブルを使っていたようです。
そしてトーンから推測するにやはり少なくとも1000pF以上,2200pF~3300pFくらいの容量のケーブルを使っていたようです。
ジミヘンやレイボーンでもスタジオ盤の音はブライトです。ライブの音はもっとぶっとくてミッドブーストしたような音になっています。
私は「Are You Experienced」より「Radio One」を,「Texas Flood」より「Live Alive」を先に聞いた都合か,彼らの音は後者,ライブ音源の音が耳に残っています。

ストラトのようにシングルコイル・ピックアップは特に負荷容量の影響が大きいと感じました。
PAFのようなハムバッキング・ピックアップはもともとインダクタンスが大きく,ピックアップ自体の静電容量も大きいのだと思います。
さらに,ギブソンはギター内の配線も容量の大きなシールドケーブルを使っていますので,ギターだけでもそこそこの負荷容量がついていて,ケーブルの影響はその分だけ少ないとも言えます。
ハムバッカーのケーブルの違いはアンプ設定やスピーカの種類,マイキングで補正可能なレベルと思います。

なのでオールマンのフィルモアライブの音に関してははっきりしたことは言えません。
マーシャル直結で,スピーカーはJBLだという説がありますが,JBLでああいうトーンになるとすると,それなりの静電容量を持ったケーブルが必要でしょう。でもデュアンが使ったケーブルについて語ってくれる人はいないのです。


今日は実験結果をまとめたところで終わりです。
3メートルでも12メートルの音がするシールドは作ってみましたが・・・
3メートルでもカールコードの音(つまりジミヘンの音)がするシールド需要があるかな?
需要があれば作るんですが・・・






Radio Oneの方がアルバムとしてはまとまりがよいけど,BBCセッション方が色々入っていて網羅的。





ギブソン・スタイルのシールド線

shield_wire_2-braid.jpg

PRSのMcCartyの配線をリペアした際にギブソン・スタイルのシールド線を購入しました。

わざわざビンテージ・スタイルという2本編みシールド線を購入しましたが,このシールド線の静電容量(Capacitance)を測ってみました。

測定はLCRメーターを使い,1kHz,250mVという設定で測定したところ,510pF/mという値がでました。

普通のギター用のシールド・ケーブルは70pF/m~160pF/mですからずいぶんと大きいです。
綿巻きかつワックスがかかっているからだと思います。

そしてギターに元々付いていたオリジナルのシールド線は長さ17cmで152pFという静電容量でした。
1mに換算すると894pF相当します。これはまたさらに倍近く大きいですね。
ハンダのヤニを吸っているせいもあると思います。

リペアした時にトーンの変化に驚いたのですが,配線材の交換により静電容量がだいぶ変わっていたようです。



さて,PRS McCartyはGibson Les Paulを意識して作られていますが,大きな違いのひとつにトグルスイッチの配線があります。
レスポールはスイッチがネック側にありますので,ボディ内を長々と配線を引き回しています。
一方マッカーティーはブリッジ側にスイッチがありますので配線が短いのです。

そしてPRSはそのことを承知しています。
こちらの配線図を見ると20インチのシールド線を使うように指定しています。
https://www.prsguitars.com/csc/schematics/2012/mc58_2012.pdf

20インチは50センチですから,250pF~400pFくらいの静電容量がぶら下がることになりますので当然トーンに差が出ます。

オリジナルのPAFを使おうがレプリカだろうがシールド線の静電容量を無視したら同じトーンは出ません。

静電容量が小さいとすっきりしてハイが伸びピッキングニュアンスはでますが,元気がなくギスギスした感じになります。
一方で静電容量を大きくしていくと粘っこいところが出てきて明るく元気な音になります。

どちらがビンテージかといえばもちろん静電容量が大きい方がビンテージなトーンといえます。

どのくらいの静電容量が適切なのかググっても答えは出ません。好み次第といえます。

実験をしてみると,500pF~2000pFくらいの範囲なら普通に使えます。
3000pF~4000pFになるとミッドブーストになり,0.01uF~0.015uFではいわゆるウーマントーン,それ以上はモコモコした音になります。

500pF~2000pFの間のいくつがよいのか,もう少し詳しく実験しようと思っています。

ギター内部の配線(ギブソン・スタイルのシールド線)

前回トーンコンデンサーを変えましたが,配線材も新たに購入して配線を再度やり直しました。



結果,現在はこんな感じになりました。

変更点は,手作りシールド線と出力ジャックまでの配線をGibsonスタイルのシールド線のビンテージ仕様に交換。
ハイパスコンデンサ(180pF)を取り付けです。

まず,配線材の交換についてです。
PRS McCartyは50年代のビンテージ・レスポールを目指して作られているわけですが,細かい部分にこだわりが隠れていました。

レスポールと同様にピックアップの配線にはシールド線を使っています。
いわゆる「ギブソン・スタイル・シールド線」ですが,これがなんとビンテージ仕様だったんです。

shield_wire_prs_mccarty.jpg

これがMcCartyの配線に使われているシールド線です。
シールド用の網線ですが,2本ずつのまとまりで編まれています。これがビンテージ仕様だそうです。

確かに,手元にある手作りシールド線で使っている網線は4本ずつですし,Webの写真を見ると最近流通しているギブソンスタイルのシールド線は3本ずつ編まれています。

なんとこの2本ずつ編まれたビンテージ仕様の配線材が手に入ります。

shield_wire_2-braid.jpg

これが購入したものです。

このシールド線を使ってセレクターからボリュームまでの配線と,出力ジャックまでの配線をやり直しました。

出力ジャックの配線は不合格です。シールド側はハンダ付け不十分。芯線側は切れかけていました。
やり直してよかった・・・

作業のこつですが,シールドを半田付けする部分はまず,スズメッキ線で縛ってからゆっくり確実に半田付けします。



冒頭の写真をもう一度・・・

ついでにボリュームにハイパス・コンデンサ(180pF)を取り付けました。
180pFという値は最新のMcCartyモデルと同じ数値です。
今回は部品箱に眠っていったディップ・マイカを使いました。

NTKという日通工というメーカーで今ではもうディップマイカは作っていません。
リード線が銅線です。あと,つやつやしたアメのような樹脂でディップされているのがたまりません。

古今東西様々なディップマイカをなめてきましたが,一番おいしいです(嘘)。

あと,最初からついていたオレンジ色のトーン・コンデンサはなくさないように差しさわりのない部分に半田付けしときました。。。

そういえばもう一点,スイッチクラフトのトグルスイッチも交換しました。
軸がずれて斜めになってしまっていること,たまに接触不良になること。
ふたつも気に食わない点があったからです。

全く同じ部品が手に入るからには交換するに越したことはありません。

つうことで,音を出してみると今までは見違えるような・・・
クリーン・トーンでここまできれいな音がでるギターは初めてです。。335もストラトいらないじゃん・・・
ジャックの配線が切れかかっていた影響が大きいのでしょう。撚線は1本切れても音は出ますが,すべての線がつながっていないとだめです。

180pFのハイパスも効きすぎずよい具合です。
とにかく満足。録音しましたので,後日UPの予定です。

関連リンク:ビンテージな仕様のシールド線
http://www.crazyparts.de/electronics/caps-jacks-cables-switchtes/vintage-2-strand-braided-shield-wire.php
http://www.montreuxguitars.com/datalist/selectGoods.php?code=1011
実際にはサウンドハウスで買いました。



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