サウンドサンプル11月改造後


トーン回路の改造後,録音しました。
ややきつい音になってしまいました。
小さめの音量なのでオンマイクにしたこと,PCM-D50のマイクをXYポジションではなく,正面に向けている影響が大きいように思います。

内蔵パワーアンプをVINTAGE30につないでいます。
VINTAGE30もまたザラザラした部分がよく出るスピーカーなので相乗効果でよりきつい音になっています。

弦の生鳴りが入ってます。
もうちょっと音量上げたいのですが,夜間子供が寝てから焦って録ったので。
はしる・つっこむ・もたつくは得意分野なのでご容赦を。。

設定は比較のためあえて前回と同じにしています。マイキングも音量も異なるので単純比較できないんですけど(汗)。

BOOST
TREBLE BASS MIDDLE GAIN MASTER



STRATO BOOST:ミドル・ピックアップですね。
ノイズ対策のキャビティ・シールドをした状態です。ノイズが減りました。
音が変わると弾くフレーズも変わります。コード・カッティングが気持ち良いのでラフにジャキジャキ弾きました。
もう少しゲインを下げると落ち着いた音になるのですが,比較のため同じセッティングにしています。

ES-335 BOOST:ピックアップはミドル・ポジションです。
単音に乗ってくる倍音もおいしいのですが,複弦のおいしさが以前よりも増しています。
ゲインは少し下がっていますが,気にならない程度です。
それよりもやわらかくスムースな弾き心地になったのが大きいです。


ES-335 BOOST:ミドル設定を10(全開)にしています。
今までよりもミドルのコントロール・レンジが広がりました。ミドルをより強く出せるので特徴だったぶっ壊れそうな感じは残っています。
いっけん完全につぶれてますが,ピックアップの違いはよく出ます。



DISTORTION
GAIN TREBLE BASS MIDDLE MASTER



STRATO DISTORTION:ブリッジから途中でネック側に切り替えて,最後はブリッジに戻しています。
あえておなじ設定にしていますが低音の分量が増しているようです。
シングルコイル・ピックアップをこれだけのハイゲインで鳴らすのは難しいのですが・・・何とか。
ハイのヒリヒリしたところはマイキングの都合もあり,以前の音源との比較は難しいです。

ES-335 DISTORTION :ブリッジですね。
基本的なトーンは変えてませんが,スロープをいじったのでややスッキリした音になりました。
6弦でいうと12フレットあたりのローミッドを少し抑え気味にしていますのでミュートでも弾きやすいです。
やはりローエンドは伸びているのでズンという感触がよい具合です。
毎度,これ335の出番じゃねえなって思うのですが,レス・ポール持ってないのでハムバッカーの音ということでご容赦を。



改造ネタその4

◆ブーストチャンネルのゲイン最適化

もう一か所,改造してしまいました。

ダンブルの回路はVOLUME,半固定TRIM,RATIO,LEVEL,MASTERという5つのボリュームが仕込んであり微妙なゲイン調整を可能にしています。
ダンブル回路をコピーしたとしても,ゲインバランスを微調整しないとスムースな倍音を持つ絶妙なトーンにはなりません。

この5つのボリュームを適切に使いこなしてクリーンとオーバードライブの両方を作りこんでいくわけで,使いこなしは非常に難しいといわれています。

操作は簡単なほうがよいに決まっています。このプリアンプのブーストチャンネルでは2つのボリュームで歪と音量を決められるようにしました。

ゲインバランスを自動的にとり,1つのゲイン設定でクランチからフルドライブまでスムースな歪が得られるように工夫しています。

回路的には古典型フェーズインバータを応用した可変ゲイン回路としています。

古典型位相反転回路はカスケード接続された2段の反転増幅回路を利用します。
1段目と2段目の間にアッテネータを入れ1段目の増幅分だけ信号を減衰させることにより,位相反転した信号を作り出します。
また応用としてカソードを共通化して,差動回路風にすることでバランスを取っています。
さらにギターアンプで広く使われるロングテール型位相反転回路と同様にグリッド・バイアス抵抗をひとまとめにして,ゲインリダクションのアタックとディケイを制御しています。

調整ポイントは多くないのですが,1段目と2段目の間に入るアッテネータは少し絞ってみたところ非常にスムースな音が得られることが分かりました。
こういったダイナミックな動作と演奏してみた感触はシミュレーションでは再現できません。

全体的なゲインは落ちてしまういますので,特徴的だったぶっ壊れそうなブーストサウンドは影を潜めます。
反面,335の単音では非常に伸びやかでスムーズ。一方ストラトでのコードもつぶれずに重奏的な響きを残してくれます。

プリアンプの設計は一見,増幅段をカスケードに接続していくだけのような単純な回路に見えます。
しかし,実際に作ってみればわかりますが,それだけではゲインが高すぎるだけで音になりません。

増幅と減衰,HPF・LPF・BEFを繰り返すことで程よく歪みの乗ったスムースな音色が出来上がっていくわけですね。

お酒の醸造工程のようなもので,トーンを磨いていくわけです。
雑味を消しためのフィルター,芳醇な香りを醸し出すためのクリッピング,そういった複雑な手順の結果,トーンが出来上がっていきます。

一例としてこれを紹介しましょう。
メサ・ブギーの5バンドグラフィックイコライザの周波数応答です。

ブギーのアンプには5バンドのGEQを搭載しているモデルがありますが,これが結構な優れもので,V字に設定すると非常に気持ち良いザクザク・サウンドが得られます。

mesa_boogie_GEQ.png

ふたつの山を持つ赤い線がV字設定の時の周波数特性です。

80Hz付近と5kHzがブースとされて750Hz付近のミドルがごっそりとカットされています。
ローエンドもハイエンドもスムーズに落ちていくので,なるほどこれは気持ちの良い音になるわけです。

ギター用のスピーカーも似たようなトーンカーブを持っていて,クローズドバックならば低域が少しブーストされ,
そこから中高域に向けてだらだらと下がっていき1kHz位に谷があって,2kHz~5kHzでピークを持ちます。
こういった典型的なギター用スピーカーの特性がギターアンプにとって最終的なイコライザとなっています。

特に真空管アンプはスピーカーの個性をよく引き出すことができます。

エレキギターとギターアンプは特に人間が敏感に感じる2kHz~4kHzを複雑かつ微妙に操作します。
ほんのちょっとした違いでも実際に演奏すれば違いが出てきます。

よく言われることですが,電子部品は±10%程度のばらつきは普通に持っています。
一方,音階はもっと精密で,音階が半音異なると周波数は6%変化します。

ギターアンプは部品の個体差や,微妙な静電容量の差,振動による影響がでやすいわけで,
こういった点でオーディオ用のアンプとはまったく違うノウハウが必要になってきます。

まあ,大体適当に作ってみて,あちこちいじり,調整していくわけなんですけどね。。。


改造ネタその3

◆ブーストチャンネルの低域レスポンスの改善とジャリつきの調整

ノーマルチャンネルとディスト―ションチャンネルと比較するとブーストチャンネルは低域が薄いと感じます。
もう少し低域があった方が迫力があり,ツウ好みでしょう。低域が強いと演奏は難しくなりますけどね。

ロリー・ギャラガーのライブ録音を聴くとスピーカーがボコボコいうほどの低音が出ています。
ピッキングに反応してボコっといいます。ここまで出ているとアタックがつぶれたり,コード感がなくなったりしてしまいます。
基本はプリ・イコライザーで低音をカットして,ポスト・イコライザーでは上げてやると,気持ちがよく迫力のある音になります。

ブーストチャンネルはプリイコライザなのでベース・ツマミを上げても低域が飽和するだけで迫力は出ません。
そこで最終段の0.022uFを大きくしてみました。すると劇的ではありませんが,やや改善されるようです。
結果的にマロリーの150'sの0.1uFとしました。SOZOと比較するとジャキっとしたところは引っ込みますが,
コードのまとまりがよくカッティングが気持ちよくなりました。

マロリーにしたせいなのか,トーン回路を変えたせいか,ES335ではハイの上のほうのザラザラしたところが気になります。
そこでプレート・プレート間に入れている47pFを22pFとし,ポストイコライザーとして150pF(C50)を追加しました。
EVM-12Sではこれでよかったのですが,VINTAGE30ではきつい部分が少し残りましたので220pFに交換しました。
(下の回路図は古いままです・・・)
これで2次のLPFとなりますので,ジャリっとした部分を残しつつ,耳障りな成分を抑えることができました。

下の回路図はマスターセクション部分です。図中のC50が追加したコンデンサーです。

マスターセクションでは信号レベルの調整と切り替えを行い,後段へ信号を送ります。
ノーマルチャンネルとブーストチャンネルはそのままでは信号レベルが高すぎるのでATTしています。

preamp_master.png

一気に記事を3本投稿しましたが,ネタはもう少しありますのでそのうちに・・・




トーンコントロールの改造(その2)

前回に続き改造ネタです。
一度フタをあけてしまうと改造癖がムクムクと・・・夜な夜な半田ごてを握る羽目になります。



◆ノーマルチャンネルとブーストチャンネルの共通トーン回路のミドルコントロールを改善

今までのトーン回路はフェンダーの回路をベースにGroove Tubeのアスペン氏のモデファイを行った回路でした。
具体的にはスロープを決めるコンデンサ0.047uFを0.022uFにしています。
温かみのあるローミッドの帯域がでて,フェンダー・トーンをややをファットにした感じになります。

また,通常ベースポットに入る0.1uFが省かれていることに気付いたかもしれません。
このアンプではチャンネル切り替えの都合上,トーン回路の手前に0.1uFを入れて直流を阻止しています。
0.1uFは直流阻止が目的なので,事前にDCカットされているのならば不要です。

さて,この状態からさらにダンブルぽっさを追加することにしました。

ダンブル・アンプのトーン回路はJAZZ/ROCKスイッチに代表されるように複雑な回路構成になっています。
ROCKモードではフェンダーのトーン回路を基本とした回路になり,JAZZモードではギブソン・アンプに似た回路構成になります。
ROCKモードはトレブルつまみを中心とした派手目な音作りで,JAZZモードではベースつまみを中心としたローミッド重視の音作りになっています。

今回はROCKモードのミドル・コントロール回路を参考にしてミドル・コントロールの効き具合を調整しました。

フェンダー方式はミドルを上げるとトレブルも上がってしまいますが,ダンブル氏のトーン回路はミドル谷の部分だけ制御できます。

ダンブル化の手順です。
まず,ベースPOTとGNDの間につながっているミドルPOTを切り離して10kohmの抵抗に交換します。
そしてベースPOTをバイパスするコンデンサを追加しました。
バイパスコンデンサはダンブル系では0.001uF(1000pF)が標準ですがあえて大き目の値(4700pF)を選んでいます。

ミドルを上げていったときに0.022uFの効果がなくなり,4700pFの効果だけが残ります。
0.022uFとのバランスが重要で4700pFは約1/5の値なのでミドルのスロープは5倍の周波数になります。
ダンブルは0.01uFに対して1000pFなので1/10の値になっていますのでミドルのスロープは10倍の周波数まで移動します。
10倍にもなるとほぼ効果がないところまで行ってしまい,1000pFのコンデンサの存在意義が薄れます。
逆に大きくするとミドルの谷が残ります。シミュレーション結果から4700pFを選んでいます。

ミドルPOTはいままでは10kohmでしたがこれを250kohm(Aカーブ)にします。
通常のフェンダー・トーン回路では25kohmくらいまでは効果を感じますが,それ以上に増やしても飽和してしまい,実際にミドルを上昇させる効果は出てきません。
ダンブル回路はベースPOTからGNDにつないだ10kohmと合わせてミドルをコントロールしますので,250kohm(Aカーブ)でもリニアな操作感を得られます。

スロープ抵抗はダンブルは150kohmですが,今回は100kohmのままです。

これでなんとダンブル・トーンに近づきました。
ミドルに独特の艶がでてロベン・フォードぽっさがでました。
特に335のセンター,ストラトのミドルがとても気持ち良くなりました。

ミドルつまみのコントロール範囲も非常に広くとれます。
ミドルを絞ればブラックフェース系のすっきりした音になります。
ミドルを全開にするとツイード系の太い音になります。

トーン回路はいじればいじるだけ音が変わります。
キリがないのでそろそろやめようと思います。



トーンコントロール回路の改造(その1)

半田ごてとギターを握ってカット&トライするのもやめられないのですが,
トーンコントロール回路はスパイスでシミュレーションしてF特の変化を見ることが多いです。

トーンコントロールは単なるフィルターの集合ですから,シミュレーションの結果はかなりあてにできます。

通常はトーン回路のみをシミュレーションするのですが,パワーアンプの入力インピーダンスの影響まで考慮したシミュレーションを実施してみたところ面白いことがわかったので改造してしまいました。



◆ディスト―ションチャンネルのレスポンス改善

トーンスタック出口のイコライザーに入れたシリーズ抵抗は無い方が4kHz付近のレスポンスが向上することがわかりました。これは意外な結果です。

47kohmの抵抗を取り外し,150pFのコンデンサC31のみとします。

この位置に抵抗を入れるなら,普通に考えると抵抗値を大きくした方がCの効きが悪くなりレスポンスが向上すると考えていました。
しかし今回は逆でした。複雑なトーン回路になっているせいか,LPFとしてコンデンサをぶら下げると逆にブースト効果が発生するようです。
パッシブながらQを持ったピーキングのある特性になるようです。結果的にハイの美味しい部分にバンドパスフィルター的な効果がでてくるので好都合です。

シミュレーションでは2dB程度上昇し,Qはやや上がったように見えました。
2kHz~4kHz付近はギターのトーンを生かすにはとても重要な帯域なのでさっそく試してみました。
実際に行ってみると変化は微妙で,トレブルの目盛に換算して0.5くらいの効果でした。
前回の改造で低域も2dB位増えたので丁度良いバランスになったと思います。

さて,この状態で演奏してみます。

パワーコードのミュートを弾いてみると6弦の5フレット(A2)~7フレット(B2)までは気持ちよい程度なのですが,D3~E3までい行くとやや過剰な状態です。スピーカーの特性にもよりますが,音圧のバランスが悪くこの音域だけ強調されて聞こえます。

周波数でいうと150Hz付近です。そこで,トーンのスロープを少しだけ低域側にシフトさせてローミッドを削ることにしました。
ベースポットの0.022uFからGNDへ4700pFを追加しました。
この位置にコンデンサいれるとミドルを上げたときトレブルもつられて上がってしまう現象を緩和することができますので一挙両得です。

0.022uFに対して4700pF(0.0047uF)ですから,あまり変化はありません。
ローミッドがスッキリしたことで気の利かないマーシャルみたいにこもったドンシャリではなく,すっきりしたドンシャリになりました。

スロープ設定は非常にクリティカルなので,好みに応じて可変できるようにしてもよいのですが,
つまみを追加すると扱いが難しくなるので,トレブル,ベース,ミドルの3ノブで行こうと思います。

これで微調整完了です!


調整は続く・・・

パワーアンプを内蔵してしまうというプリアンプとしてはあり得ない挑戦をした結果として色々と調整が必要になってしまっています。

できる限りシンプルな設計にしているので,ひとつ変えると様々な部分に影響が及びます。

先週,ディストーション・チャンネルのゲインを上げる変更を行いましたが,パワーアンプの入力インピーダンスが今までよりも低くなったこともあり,トーン回路の負荷インピーダンスが低下してしまいました。

ローのレスポンスが弱くなり,いっけんまとまりのある音に聞こえますが,迫力がありません。
ローエンドをもう少し伸ばしたほうがいいでしょう。

ということでコンデンサーを交換しました。
トーンスタックのローカット・コンデンサには標準的な数値の0.022uFを使っていましたが,0.047uFに変更します。

これでローエンドが約1オクターブ伸びることになります。
音圧でいうと数dBのUPになると思います。



真ん中のリレーは主役ではないのですが・・・一番目立ちますね。

0.047uFは以前取り外したSOZOをリユースしています。
ついでに,トーンスタックのスロープ調整用のコンデンサを手持ちの中から選んでみました。

ディストーションチャンネルはゲイン段の後ろにイコライザーが入るポストイコライザーなのでトーン回路の影響が非常に大きくなります。
部品の定数だけでなく品種(メーカー)によってトーンに変化が出やすい部分です。

今まではSPRAGUE 710Pという白いフィルムコンデンサーを使ってきました。
昔店頭で購入したものですが最近は見かけません。0.022uFの割には割と大型のコンデンサです。
そこでSOZOとマロリー150S,ロシアンビンテージオイルコンを比較しました。

LPF用のコンデンサとHPF用のコンデンサではトーンに与える影響が異なってきます。
HPFできらびやかな音を出すコンデンサーはLPFに使うとGNDにきらきら成分を逃がすので音が死にます。

今回,SOZOと150Sと比べて710Pとロシアンオイルはピッキングニュアンスがよく残りました。
ダークホースとしてRFTのMKPも試してみましたがSOZOと同じ傾向でした。

影響があるかわからないのですが,710Pとロシアンオイルはリード線が磁性体でした。
ロシアンオイルは外装も磁性体です。ニッケルか鉄でと思います。

以前試したときはSOZOはLPFにもHPFに使えると認識していたのですが,LPFにはより適したコンデンサがあるようです。

結果的にロシアンオイルのほうがコードの分離がよく感じたのでこれを使いました。

トーンスタックのコンデンサー交換のおかげでローエンドが伸び迫力が戻りました。
ハイエンドの差はほんの少しですが,より表情が出るようになった思います。

コンデンサの部品差は抵抗や配線材よりは影響が大きいほうですが,結構微妙です。
さらに,効くところと効きが悪いところあるのは確かです。

あ,あと,入力の配線材を変えました。今まではずっと絹巻エナメル線のツイストペアだったのですが,自作シールド線にしました。
ノイズを防ぐためにシールド線を使おうとするのですが,よいシールド線がなかなかありません。
よいものがない限りは使わないに越したことはありません。ツイストペアでノイズのトラブルが出たこともありません。

最近いろいろ調べているとストラトの内部配線でノイズが乗っていることがわかってきました。そこでギターの内部配線として使っているお気に入りの配線材に網線をかぶせてシールド線を作ってみたところ出来が良かったので,アンプにも使うことにしました。
ギター側はまだ変えていないので近日中には入れ替えようと思っています。

10cmくらいの配線ですが,メリハリでて,コードの分離感もよくなったと感じました。

配線材も適材適所でトーンに対する影響が変わります。
プリアンプのグリッド配線が一番影響が大きく,プレート配線も高電圧なので影響が大きいです。
カソード配線はもともとインピーダンスも電圧も低いので影響は小さいです。

一度フタをあけるといじってしまう悪い癖が出ています。
そろそろ満足なので,オーダーがあれば貸し出しします。
オーダーをお待ちしています。



問題発生・・・

信号発生器から正弦波を入力して最大出力を測定していたところ問題にぶつかりました。

ディストーションチャンネルのマスターボリュームを全開にしても出力電圧が最大になりません。
クリーンチャンネルよりも低い状態です。耳で聞いた感じではそんなことはないのですが。

ミドルを5に設定して波形が矩形波になるようにトレブルを調整するとプリアンプで電圧がクリップされてるので7Vp-p程度の出力しか出ません。
ミドルを全開にすれば16Vp-pまでいきます。まあいいか・・・

トーンスタックで20dBほどロスがあるのと,ATTとイコライザーをかましているのでさらに10dBくらいのロスがあります。
また,バッファアンプの入力インピーダンスが今までは1Mohmでしたが,EL-84パワーアンプを作りこんだ都合で470kohmになってロスが増えています。

それでもちょいと手直しをして10Vp-p程度は出るようになりました。
十分といえば十分ですが・・・気になる。。

急ぎ秋葉原へ買い出しに行きマスターボリュームを250kから500kに交換しました。

これで14Vp-pくらい出るようになりました。なぜ250kだったのか・・・10年前の記憶は・・・

これでプリアンプの飽和電圧とパワーアンプの飽和電圧がほぼ一致しましたので,最大出力を発揮できます。

ところでトーンスタックの出口にあるイコライザーはそのままにしておきましたが,POT交換の影響で効きがよすぎてこもった感じなってしまいました。

そこでコンデンサの容量を220pFから150pFに変更したところちょうどよい具合となりました。

イコライザなしではギスギスした部分が気になりやっぱりだめでした。

せっかく録音したのに。改造してしまった。


サウンドサンプル11月

今回の改造で内蔵したパワーアンプで録音したサンプル音源をUPします。
最近ギターを弾く時間がなく・・・へたくその言い訳です。

まずはクリーンから・・・音量はいつもより大きいけれど,PCM-D50のせいか素っ気ない音になってますね。
実際演奏しているときはもっと気持ち良い音が出ているのですが・・・


NOMAL
VOLUME TREBLE BASS MIDDLE


STRATO NOMAL:トーンセッティングは前回に合わせました。ピックアップはセンター

ES-335 NOMAL:ピックアップはセンターハーフ

ボリュームを最大にして軽くクランチする程度のゲイン設計になっています。
と言いたいところですが,特に設計したわけではなく,たまたまですが,よい具合です。

低音がつぶれることもなく,抜けもよいです。ストラトのハーフトーン(録音してません)はパキーンと非常に気持ち良いです。


BOOST
TREBLE BASS MIDDLE GAIN MASTER



STRATO BOOST:ピックアップはセンターです。

ES-335 BOOST:設定は同じ,ピックアップはブリッジです

ストラトの前半はゲインを5にしています。途中からゲインを10にしていますが,音量は変わらず歪だけ増えていきます。
ゲイン5ではほどよいクランチ具合です。ジャリっとした歪が乗ってきますが,嫌な音にならないギリギリのところを狙っています。
スピーカーによってはちょっと耳障りかもしれませんので,トレブルを少し下げるともう少し落ち着いた音になります。
ゲイン10ではディストーションに近いですが,よりミドルを強調したリード向けのトーンになっています。


DISTORTION
GAIN TREBLE BASS MIDDLE MASTER



STRATO DISTORTION:トーン設定は前回に合わせました。ピックアップはブリッジとネック使い分けてます。

ES-335 DISTORTION :設定は同じです。ブリッジ側。

ストラトも335もちょっと音量が小さくなってしまいましたが補正はしていません。

ストラトも335も前半はゲインを5,後半はゲイン10としています。
ゲイン5でもディストーションとしては十分ですが,ゲインを10に上げるとよりホットなサウンドになります。

ザラっとしたところがとても気持ちよく,低音の弾力感もちょうどよいです。ピッキングハーモニクスも出やすいですがうるさくありません。
この音量だとフィードバックが気持ちよくかかってくれます。ちょっとしつこいか・・・



今回も録音にはSONYのPCM-D50を使い,前回よりもオフ気味,スピーカーから10センチくらいで録音しました。
今回は床や部屋に置いてあるものがビリビリ言うくらいの音量で弾いています。耳鳴りしてる・・・
スピーカー前回と同じCELESTIONのVINTAGE30です。EVM-12Sだと少し落ち着いたトーンになりますが,ミドルにゴンっとこぶしが入り非常に気持ち良いです。



やはり真空管アンプは真空管で鳴らすのが一番!
A級シングルを作るのは初めてですが,音が素直です。プッシュプルとは違った世界がありますね。
ただし,出力管をオーバードライブさせると変なことになることがあるので要注意です。
あくまでもプリアンプで作った音をそのまま増幅するという意味では可能性を感じました。
そう考えていくと企画倒れだったトランスドライブのプッシュプルアンプは相性が良いかもしれません。

パワーアンプを用意する必要もなくなり,音もコンセプトも明確になりました。
そろそろ誰かに使ってもらいたいな~


改造の手直し・・・

自作の醍醐味は改造しながら音を作りこんでいくこと,これに尽きます。

もちろん音がよいだけではなく,使いやすさや壊れにくさを考えながら改造していきます。

実は電源トランスの容量がギリギリになのがわかり,焦って電流を減らしました。
今まではEL-84のカソード抵抗を220Ωとして40mA流していました。これを470Ωに交換することで25mAに抑えました。
これで最大出力は5Wから4Wに減ってしまいましたが,今回のコンセプトから考えて十分と思います。



また同時にカップリングコンデンサーを交換しました。
今まではオレンジドロップの0.22uFを使っていました。
低域がですぎることがわかっていたので,0.047uFに交換することにしました。
いくつかの手持ちのコンデンサの中からドイツ製のビンテージコンデンサを使ってみました。
フェンダーのにおいやマーシャルのにおいを含ませつつ,やはりボックスのにおいも入れておきたかったのです。
ドイツの電気安全規格「VDE」の文字がなんとも頼もしいです・・・

また,EL-84の管壁温度を測ったところ150℃を超えていました!
ここに配線材が接触すると危険なので遮熱板を立てて,配線はテープで留めておきました。
通常の製品ではテープ止めは嫌われますが,自作では問題ないばかりか,やり直しが簡単にできるので都合がよいのです。
しかし高温で融けたりベタベタなると困るので,人工衛星にも使われる耐熱性の良い超高級なカプトンテープを使用しました。

1611mod2.jpg

リアパネルはこのようになりました。
スピーカーアウト(8Ω)とラインアウトがあります。
あと,EL-84の頭がちょっとだけ飛び出るので金具を取り付けて保護しています。

と,ここまでの改造は昨日までに終わりました。

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

今日はわざわざ会社を休んで大音量で音出しをしました。(嘘。たまたま連休)

クリーンチャンネルはボリューム最大で音量はちょうどよく,少しクランチする程度非常に弾きやすいです。
ODチャンネルとDISTチャンネルはボリューム3時くらいでかなりの大音量ですが,大音量の時に限ってギスギス感じがします。

そこでちょいと修正を行いました。

5極管やビーム管のような多極管でかつ負帰還をかけない場合,出力管がカットオフするほどドライブするとプレートに過渡的なリンギング波形が出ると言われています。これが耳につくようです。

対策としては高耐圧のダイオードを入れること,さらにコンジャンクティブフィルタ(Dr.Zはこう呼ぶ)を入れるとより抑制できます。
「Conjunctive Filter」とは仰々しい呼び名ですが,要はトランスの1次インピーダンスを整合させるスナバです。
このフィルタは由緒正しきRCAのハンドブックにも記載があります。こちらでは「Corrective Filter」と説明されています。

もう少し説明しますと・・・
トランスの1次側は漏洩インダクタンスによる共振があります。スピーカーのインピーダンス上昇も効いていきます。
多極管は内部抵抗が高いのでこの共振がダンピングされません。
共振の影響は負帰還でも緩和できますが,無帰還アンプでは望みが絶たれています。

そこで,CRをシリーズに接続したスナバを入れてやるとこの共振をダンプすることができ,ギスギスした刺さる成分を押さえることができるというわけです。

部品箱には耐圧3kVのダイオードと耐圧2kVのコンデンサがありましたので,早速取り付けてみると・・・

結果的にスムースで癖のないレスポンスが得られるようになりました。
嫌な音がしないということは音量を上げることができ,ピッキングニュアンスもよく出るようになります。

スナバーの値をどのように決めるかはどこかにメモしたのですが・・・
テキトーにやってみたところツボにはまりました。(これだから自作はやめられません)

クリーンもODもDISTもヘッドルームが十分にある大出力アンプのような懐の深さがでました。
小出力アンプを無理やりクランクアップした時のショボさやキツさは全くありません。

まあ,所詮出力4Wなのでバンドで合わせると音量は不足するかもしれませんが・・・

そんな状態で録音もしましたが,出来がよくないのでサウンドサンプルはまた明日・・・


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